月別アーカイブ: 2016年12月

茶アザ(2)

茶アザには大きく分けてカフェオレ斑、扁平母斑、ベッカー母斑があります。
1)カフェオレ斑
生下時から、あるいは生後間もなくして生じるコーヒー牛乳色、カフェオレ色の色調が均一な淡褐色の斑を指します。
大きさは0.2~20cmと大小種々あります。単発性がほとんどで、6歳を過ぎると新たに増加することはないとされます。
一部に多発する場合があり、特に径1.5cm以上の色素斑が6個以上であれば、神経線維腫1型(neurofibromatosis type 1; NF-1)を疑います。
治療はカバーマークやレーザー療法などが行われます。ただレーザー療法の有効性は低く、完全治癒は困難です。一般的に年齢が若いほど有効で、色調が濃く辺縁がギザギザしたものほど有効です。
NF-1にはあまり効果なく一旦消失しても再発し易いとされます。
レーザー療法の効果を4つのタイプに分ける報告もあります。(文献1)
1.治療後元に戻る。
2. 治療後一旦薄くなった後、毛孔一致性の再発が見られる。
3. 同様に治療しても薄くなる部分とならない部分がある。
4. 治療後、非常に色が薄くなり、1~3回の治療で軽快し再発しない。
4.のケースは5~20%に過ぎない。従って治療する際には必ずテスト照射を行い、最低3ヶ月の経過を見てから次の治療を考える。
2) 扁平母斑
本邦と欧米では用語の意味が異なっています。日本では基礎疾患を有しないカフェオレ斑を扁平母斑と呼びならわしてきました。そしてカフェオレ斑はNF-1やMcCune-Albright症候群など母斑症に対して用いられる傾向があります。
これに対し欧米では、淡褐色斑の上に小さな黒い斑点、または小隆起のある黒点が散在するものを扁平母斑(nevus spilus)と称し、点状集簇性母斑(speckled lentiginous nevus)ともよばれます。
ただ、従来は欧米でカフェオレ斑のことをnevus spilus(ギリシャ語のspilosすなわちspotに由来)呼んできた歴史があり、Rookの教本でも(混乱を避けるためか?)nevus spilusよりもspeckled lentiginous nevusと呼ぶ方が好ましいとしています。
黒点は表皮基底層から真皮内の母斑細胞の集塊を認め、複合型ないし真皮内型の母斑細胞性母斑の一種と考えられています。稀に悪性黒色腫を生じることがあるために経過によっては切除します。

いずれにしても、カフェオレ斑=扁平母斑(従来の日本での)と考えると、1)と2)を混同することになり注意を要します。
3) ベッカー母斑(Becker nevus)
Becker黒色症、遅発性扁平母斑ともよばれます。思春期前後に生じる大きな淡褐色から褐色の色素斑です。境界は鮮明でギザギザです。約半数に多毛、剛毛を伴います。思春期男性の胸背部に好発します。
扁平母斑の一種のような命名で見た目も似ていますが、病理組織では異なる疾患で、表皮には乳頭腫様の増殖や肥厚、真皮には平滑筋の過形成がみられます。後天性の表皮母斑と考えられています。
レーザー療法の効果は、前2者よりも高いとされます。

参考文献

遠藤英樹、色素性病変に対するレーザー治療: スキルアップ皮膚レーザー治療 編著 川田 暁. 東京: 中外医学社 2011.p38-46.

渡辺晋一、 第20章 母斑および皮膚良性腫瘍 標準皮膚科学 第10版 監修 富田 靖 編集 橋本 隆・岩月啓氏・照井 正 . 東京: 医学書院 2013.p314-346.

 

%e3%82%ab%e3%83%95%e3%82%a7%e3%82%aa%e3%83%ac%e6%96%91%ef%bc%91 カフェオレ斑%e3%82%ab%e3%83%95%e3%82%a7%e3%82%aa%e3%83%ac%e7%8f%ad%ef%bc%92

%e6%89%81%e5%b9%b3%e6%af%8d%e6%96%91扁平母斑

典型的な例は、褐色斑の中に点状の黒点や斑点が多数みられます。適当な写真がなかったのでこの例を挙げました。ただし、nevus on nevusと呼ばれるように、内部の斑点は黒だけでなく、青、灰色、赤みがかったケースもあり、多様性があるようです。

%e3%83%99%e3%83%83%e3%82%ab%e3%83%bc%e6%af%8d%e6%96%91 ベッカー母斑

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茶アザ(1)

以前、顔面のシミについて書きましたが(2013.11.16から数回)、そこでは敢えて茶アザについては深く触れませんでした。
それには理由があり、日本では茶アザのことを扁平母斑やカフェオレ斑と呼びならわしてきましたが、諸外国との定義とやや異なるところがありました。
また、カフェオレ斑には、数によってNF-1(レックリングハウゼン病)などとの異動があり、またAlbright症候群、Legius症候群などとの鑑別を要することなどもあります。治療についてもタイプによって異なりますし、レーザーの反応も必ずしも良いものではありません。
このように一口に茶アザといっても結構込み入っているのです。
これらのことを分かりやすく分類して説明できるか自信はありませんが、試みてみたいと思います。

にきび2016

時々、”にきび”について書いていますが、最近のにきび治療はここ数年で大きく変わってきました。これまで、ずっとイオウ製剤か、抗生剤一本やりだったのが、長足の進歩です。というか、先生によってはやっと日本のニキビ治療も諸外国(アジア諸国も含めて)に追いついてきたというふうに表現する人もいます。
えー、日本は医療後進国なの、とびっくりする人もいるかもしれませんが、日本の独特な医療制度も背景にあるかもしれません。過酸化ベンゾイルは耐性菌を作らない抗菌剤として、欧米では数十年前から使用されているそうですし、OTC製剤としても市販薬として使用されているようです。日本ではずっと認可されなかったものが、昨年から使えるようになり、この関連の製剤の発売ラッシュとなりました。ちなみに2008年に認可されたアダパレン(ディフェリン)も欧米や東南アジアに遅れる事かなりの年月でした。ドラッグラグといわれるものです。
現在では、欧米で使用出来て本邦で使用出来ない製剤は、ビタミンA酸の内服薬であるイソトレチノインのみと言ってもよいかもしれません。これは重症のニキビに効きますが、催奇形性があり、また自殺企図の恐れの可能性もあるなど特殊な薬剤ですからまあ使われない方が無難でしょう。
華々しく出揃った感がある新規ニキビ製剤の登場によってニキビガイドラインも改正をかさねています。
現状でのニキビガイドライン、新薬の使用注意点などについて述べてみたいと思います。

2008年アダパレンの登場によってニキビ治療は面皰治療をを基本にする考え方が主流となりました。
2015年過酸化ベンゾイル(BPO)の登場を機に1剤で面皰治療とともに炎症性皮疹も治療可能になりました。
薬剤耐性菌の増加は最近の重要問題で、2016年には政府は「薬剤耐性対策アクションプラン」を策定して耐性菌の撲滅を目指しています。ニキビに使用される抗生剤の薬剤耐性の割合はヨーロッパでは非常に高く、クリンダマイシンに対する耐性率は、50〜90%と極めて高率です。日本での耐性率も年々増加傾向にあり、2007年には8%だったものが最近では50%もの高率になり、欧米に近づいてきています。
抗炎症剤であるはずの抗生剤が耐性菌のために効かなくなることは非常にまずく、耐性菌の対策は喫緊の課題となってきています。

2016年の尋常性痤瘡治療ガイドラインでは急性炎症期には瘢痕予防の為に積極的に抗生剤を使いますが、前述の耐性菌の出現を避けるためにできるだけ短期間とし、3ヶ月を目安にしています。痤瘡瘢痕(アクネスカー)は径2mm以下のmini scarをも含めると90%以上の患者さんに認められます。そしてこのニキビ痕が患者さんのQOLを最も低下させる要因となっているとの統計があります。
それで、この期間はアダパレン(ディフェリン)やBPOとともに、外用、内服抗生剤を使い積極的に瘢痕の元になりうる炎症性痤瘡を治療することが推奨されています。
3ヶ月を過ぎて、維持期になると耐性菌の出現を予防のためになるべく抗生剤を減らしてアダパレンとBPOによる治療に切り替えていきます。
尋常性痤瘡治療アルゴリズムの表をみると、各病期ごとに使用すべき薬剤が解り易く表記されていますので、引用しました。
またアダパレン、BPO製剤の写真を発売順に並べてみました。参考にして下さい。

ディフェリン(0.1% アダパレン)・・・薬価収載 2008年9月 販売開始 2008年10月 国際誕生 1992年7月

ベピオ(2.5% 過酸化ベンゾイル)・・・薬価収載 2015年2月 販売開始 2015年4月

デュアック(クリンダマイシン1%/過酸化ベンゾイル3%ゲル)・・・薬価収載 2015年5月 販売開始 2015年7月 国際誕生 1983年1月

エピデュオ(アダパレン0.1%/過酸化ベンゾイル2.5%ゲル)・・・薬価収載 2016年8月 販売開始 2016年11月 国際誕生 2007年11月

このように、ニキビ治療に有効な薬剤が勢ぞろいして、治療も随分と進化してきました。急性炎症期、維持期の治療、スキンケアなど治療の方向性が明確になってきました。
ただ、いくつかの問題点は残っているかと思われます。

1)必ずしも、3か月を過ぎれば炎症性の皮疹が消失するわけではなく、BPO製剤のみで炎症性皮疹が消失するわけでもない。
2)急性期から維持期への切り替えがスムーズにいかないこともある。
3)一部ではあるが、薬剤の刺激性のためにアダパレン、BPO製剤が使えない。
4)一部に接触皮膚炎がみられる。
5)アクネスカー(瘢痕)への著効な手立ては未だない。(レーザー、ピーリングなど有効との報告はありますが)

薬剤の刺激性、接触皮膚炎については、少量から使い始める、保湿を行う、擦らないなど具体的な使用方法を医師、看護師などから使用前、使用中に逐次説明することで随分とその頻度は減少することが報告されています。使用方法によっては可ともなり、不可ともなりえるということです。
一方で、アレルギー性接触皮膚炎の報告も散見されます。特に過酸化ベンゾイルはやや多い印象を受けます。
外国製のプロアクティブには同剤が含まれていますので、以前にそれで感作されている人は当然BPO製剤でかぶれます。
過酸化ベンゾイルは歯科技工士が扱う機会が多く、犬用のシャンプーにも含まれているそうです。動物看護士、トリマーなどの職業に従事している人に感作が成立すればアレルギー性接触皮膚炎となり、職業上も厄介なことにもなりかねません。
近着の雑誌にも接触皮膚炎の報告がありましたし、当院でも最近ステロイド外用剤が必要なほどの接触皮膚炎も経験しました。
にきび治療に重要な地位を占める製剤ですので、医師も患者さんもこれらを注意しながら使っていく必要性があると感じました。

参考文献

小松俊郎 過酸化ベンゾイルゲルによるアレルギー性接触皮膚炎が疑われた2例 臨床皮膚科 70:1031-1034,2016

日本皮膚科学会ガイドライン 尋常性痤瘡治療ガイドライン 2016 日本皮膚科学会雑誌 126:1045-1086,2016

 

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メラノーマの予後

日本皮膚悪性腫瘍学会が行なっている悪性腫瘍黒色腫予後調査では2005年から3000例近い症例を集積しています。それによると病変が局所に留まる症例は全体の61%、リンパ節に及ぶ例が22%、遠隔転移がある例が11%だそうです。米国の統計ではそれぞれ84%、9%、4%で、本邦ではまだ欧米に比べるとメラノーマの認知度が低く早期発見の率が低いといえます。
一般にメラノーマは悪性度の高い腫瘍で予後は非常に悪いという認識があります。それは事実ですが、一方で早期のもの、特に in situ  病変に限ってみるとほぼ100%に近い治癒率です。ただ、腫瘍厚が厚くなり、潰瘍形成を伴うと一気に予後が悪くなります。
【国内の統計】
国内の約3000例の統計によると、平均年齢は66歳で男女比はやや女性に多く、妊娠例は1.2%で妊娠と予後の関連は見られませんでした。家族歴では4.6%と一般よりやや高くみられました。
自覚してから受診までの期間は平均70.3ヶ月でした。粘膜原発が最も短期間でしたが、これは自覚しにくく、気づいた時にはすでにかなり進行していることを示唆しているものと思われます。
最も多い病型は末端黒子型(ALM)の41%で、表在拡大型(SSM)の20%,結節型(NM)の10%、悪性黒子型(LMM)の8%の順でした。粘膜原発は9%と本邦では海外に比べて多い結果でした。
【TNM分類による予後】
TNM分類では以下のように分類されます。
T:Tumor(腫瘍) 厚さ
Tis(表皮内) 適応しない
T1 ≦1 mm
T2 1~2.0 mm
T3 2~4.0 mm
T4 >4.0 mm
N:(lymphnode) 転移リンパ節の数
N0 転移なし
N1 1個のリンパ節転移 a:顕微鏡的転移 b:肉眼的転移
N2 2-3個のリンパ節転移 c:in-transit転移または衛星病巣(リンパ節転移なし)
N3 4個以上のリンパ節転移 c:in-transit転移または衛星病巣(リンパ節転移あり)
M: (metastasis) 遠隔転移の部位
M0 遠隔転移なし
M1a 遠隔の皮膚、皮下、リンパ節転移
M1b 肺転移
M1c 全ての遠隔転移、LDHの上昇
【病期分類】
UICCの病期分類では、TNM分類の程度によってstage 0~Ⅳ期に分けられています。
<原発巣のみ>
stage0・・・・・・Tis
腫瘍の厚さ・・・・・潰瘍なし・・・・・潰瘍あり
T1 ・・・・・・・・・IA・・・・・・・・IB
T2・・・・・・・・・・IB・・・・・・・ⅡA
T3・・・・・・・・・・ⅡA・・・・・・・ⅡB
T4・・・・・・・・・・ⅡB・・・・・・・ⅡC
<リンパ節転移あり>(T,N 潰瘍の有無により複雑に分類されている)
ⅢA・・・・・・・・・T1a-4a, N1a,2a
ⅢB・・・・・・・・・T1a-4a, N1b,2b,2c
……………….T1b-4b, N1a,2a,2c
ⅢC・・・・・・・・・T1b-4b, N1b,2b
……………….Any T, N3
<遠隔転移あり>
M1・・・・・・・・・Ⅳ

当然ステージが進むと生存率も低下しますが、Tisでは手術によりほぼ100%の生存率があります。
また、転移はなくても腫瘍の厚さが厚くなり、4mmを超えると、また潰瘍を形成すると予後が急激に悪化してるのが下記のグラフをみるとわかります。
黒い腫瘍に対しては、平らで、シミの状態の時は切除か、注意深く経過をみること、腫瘍が隆起してきて、しかも潰瘍を作るようならそのままほっておかないことが大切ということになります。

しかし、メラノーマの臨床型、経過は非常にバリエーションがあり一律に決めつけられないところがあります。
経験深い専門医の慎重な診断・治療が求められる所以です。

参考文献

1) 藤澤康弘 皮膚がん予後統計の最新情報(疫学・補助療法の効果) ◆特集/メラノーマ最新情報 ◆編集企画◆ 宇原 久 MB Derma,230: 1-9,2015

2) 村田洋三 第6章 悪性黒色腫 皮膚外科学 日本皮膚外科学会【監修】 秀潤社 東京 2010, pp412-433%e3%83%a1%e3%83%a9%e3%83%8e%e3%83%bc%e3%83%9e%e7%94%9f%e5%ad%98%e7%8e%87

文献 1)より

メラノーマの手術療法(3)

メラノーマの手術範囲についていくつか。
【生検について】
一般的に部分生検(incisional biopsy)は禁忌とされます。腫瘍の一部を切除、検査することの問題点はいくつか指摘されています。まず第一に部分生検をすることによって、メラノーマの腫瘍細胞が深部に押し込まれてリンパ流、血流に乗りリンパ節転移や遠隔転移の危険性が高まることがあげられます。
次に腫瘍一部の組織診断によって腫瘍厚が低く見積もられる可能性があります。それによって切除マージンが不足する危険性があります。腫瘍が大きい場合は、根治的な拡大切除を想定して、部分切除が行うことが推奨されています。
【水平方向の切除範囲】
前に腫瘍厚による切除範囲は書きましたので 詳しい重複は避けます。現在は以前のマージンよりも縮小切除する傾向にあります。
19世紀より主に英国の解剖学的研究より腫瘍マージンから5cm切除が行われ、足の症例では膝下切断が行われてきました。広く切除してきた理由として、腫瘍細胞がリンパ流や血流に乗り、あるいはリンパ管の微小塞栓を起こし転移していくという解剖学的な見解が主流であったことによります。しかし1980年代頃より、腫瘍の厚さと転移の研究によって必ずしも全症例に伝統的な広範囲切除が必要でないことが明らかになってきて切除マージンは縮小傾向となってきました。現在では腫瘍厚4㎜超でも2㎝の切除マージンが推奨されています。
注意すべきは末端黒子型メラノーマは対象外ということです。このタイプはそもそも腫瘍マージンが同定しにくいことも一因です。
マージンが縮小してきたのは、早期のものは小さな切除マージンでも完治に導けること、逆にリンパ節転移など進行した例ではいくら局所を大きく切除しても完治が難しく、むしろ大きく切除することで予後を悪化させることもあることが分かってきたことによります。
【垂直方向の切除範囲】
腫瘍細胞が存在していると思われる深さから1層深部までを切除することが原則です。ただし、内外のガイドラインでも水平方向のようには明確な基準はありません。それは部位によって皮膚の解剖学的な構造が異なっているために画一的にガイドラインで推奨することが難しいからです。筋膜の切除を行うか否かの明確な指針はありません。しかし欠損部の再建に支障をがなく、整容・機能面に問題がなければ筋膜の切除が推奨されています。
【爪部悪性黒色腫】
爪部では水平方向では他の部位と同様に対応されます。垂直方向についてはin situ病変の場合は骨膜までの切除に留めますが、さらに真皮内への微小浸潤がある場合の対応は明確な指針はなく、従来は多くは指趾の切断が行われていました。しかし、結節がなく、厚さも2㎜以内ならば指趾切断まで行う必要もない、過度な切除は行わないという方向にあるようです。ただ、浸潤病変に対しては、一旦骨上で切除し、全摘標本の病理組織をしっかり判断した上で追加の手術を行う、などの慎重な対応が求められています。

参考文献

緒方 大 悪性黒色腫 15.原発巣、手術範囲:爪の手術法を含めて 皮膚科臨床アセット 17 皮膚の悪性腫瘍 
総編集◎古江増隆 専門編集◎山﨑直也 中山書店 東京 2014 pp 93-101

村田洋三 第6章 悪性黒色腫 皮膚外科学 日本皮膚外科学会【監修】 秀潤社 東京 2010 pp 412-433