にきびについて

にきびは古い先生の中には「あんなものは病気じゃない、青春のシンボルだ、ほっておいてもそのうち治る」と豪語する人もあった程で皮膚病のなかでも比較的軽く扱われていたように思われます。
 しかしながら最近の調査によると、長期にわたるにきびの人のQOL(quality of life)—–生活の質、生きる質はかなり重度に低下していることがわかってきています。
男性より女性で、重症度が高いほど、また年齢が高いほどQOLが低いそうです。
たかがにきびとはいえない程に感情面、日常生活機能面で負担になっているようです。
 様々な理由があったのでしょうが、日本のニキビの治療は海外の先進諸国から数十年遅れていたといいます。近年(2008年)外用レチノイドのひとつであるアダパレン(ディフェリン)が保険適用になり、やや諸外国に追いついてきたようです。
それでも、欧米で普通に使われている薬剤でまだ使えないものが多いのが現状のようです。
日本の医療行政の特殊性や、皆保険医療制度などもその一因のようです。
ドラッグ・ラグという言葉は抗がん剤などで有名ですが、このニキビの治療薬についても導入が遅れていて、専門の先生が日本はニキビ治療の後進国だ、と述べるほど情けない状況です。
ニキビ治療には抗菌薬が使われますが、長期間使用すると耐性菌が出現するために、長期の使用は避けることが必要です。これを避けるために有用な薬剤が、BPO製剤(過酸化ベンゾイル配合製剤)やアゼライン酸の外用剤なのですが、外国でごく普通に使用されて効果が認められているのに、本邦では認可されていません。
さらに重症になると外国で使われるスピロノラクトン(アンドロゲン受容体阻害薬)、経口避妊薬、経口イソトレチノインなどは全て適応外です。
(それもあってか、日本ではニキビ治療が皮膚科医よりもエビデンスの明らかでないエステ業界、美容業界へ流れるのだ、ともいいます。)
それでも、最近は国内でもBPO製剤やアゼライン酸外用剤は保険外で入手できますし、刺激感はややあるものの有効なようです。
最近はやりの光線療法、レーザー療法はいずれもまだ本邦での検討が十分なされておらず、また設備が高額で保険適応がないことなどから、皮膚科学会の「尋常性ざ瘡治療ガイドライン」では特別には推奨していません。
ただ、この先Vbeamなどの色素レーザーなどは推奨されるようになるかもしれません。
瘢痕に対する炭酸ガスフラクションレーザーはいろいろな意見があるようです。

いつも普通の治療しかせず、大して気のきいた説明もできないままにニキビ治療を続けていますが、一寸まとまった事を調べてみました。

でも、改めて書いたものを読んでみて患者さんにはあまり役に立たない文だな、と我ながら思いました。
「長々と解説を述べるより、このニキビを早いとこなんとかしてくれ、ちっとも治らないじゃないか」と顔にかいてあるような日々の診療での患者さんのことが頭をよぎりました。
後日、改めて日常のにきびケアについて少しは役に立ちそうなことを調べて書いてみたいと思いました。

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