食物アレルギー・アナフィラキシー

先日も、小児の食物アレルギーでの死亡という残念な報道がありました。食物のアレルギーは皮膚科医にとっても重要な位置を占めています。
今日は、千葉大学の中島裕史教授の「成人食物アレルギーとアナフィラキシー」という講演がありました。
成人の食物アレルギー・アナフィラキシーの病型と原因アレルゲン
アレルゲンコンポーネントの話でした。
以前当ブログでもアレルギー/アナフィラキシーの話題を取り上げましたが、いろいろと知らなかった事を教わり、新たな収穫がありました。
その内容について記してみます。
1)自称魚介類アレルギーはアニサキスアレルギーのことが多い。
成人の純粋な魚介アレルギーは比較的稀とのことです。圧倒的に多いのがアニサキスアレルギーということです。イカ・アジ・サバのアニサキスは結構有名で皆知っています。いつかテレビで胃の粘膜に食い込んでいるアニサキスの映像を見たことがあります。しかし虫が死んでいても生じるとのことです。そして摂取後かなり時間がたってからも生じるので原因がわかりにくいそうです。サンマのつみれ汁を食べて6~7時間後に発症した例もあるそうです。遅れて生じるのは納豆、豚肉でも見られるそうです。
ちなみにアニサキスはImmunoCAPの感度が高いのですが、納豆ではまだなく、診断は皮膚に直接行うprick testになるそうです。
2)アレルギーの血液検査でIgEMASTという検査があり、一度に33項目も調べることができ便利だと利用してきたのですが、感度はそれ程良くないとのことでした。やはり一つ一つ別個に調べるのが良いそうです。
3)その検査でアレルギーコンポーネントという概念を初めて知りました。例えば卵、小麦などアレルギー物質が色々含まれているということです。
近年有名になったお茶石鹸のアレルギーはその中に含まれる加水分解小麦が原因ですが、その中のグルパール19Sという成分が陽性です。それとは異なる通常の小麦アレルギーではオメガ-5グリアジンという成分に陽性反応がでます。すなわち同じ小麦アレルギーでも原因成分が異なります。これは卵でも、大豆でもあります。最近豆乳アレルギーが増えているとのことです。これは美容、健康に関心のある成人女性に多いとのことです。面白いことに豆腐は大丈夫だそうです。これも大豆の成分の異なった抗原に対してアレルギーがあるということです。この抗原はシラカンバ花粉に含まれるPR-10という抗原とも交差反応しますので、注意が必要です。
4)口腔アレルギー症候群についても昨年の9月にブログに書きましたが、果物の血清免疫アレルギー検査は感度が今ひとつであり、プリックテストがより確実とのことでした。
5)ヨモギに対するアレルギーが陽性の人はスパイスでもアレルギーが多いそうです。
6)エビ、カニのアレルギーはクロスすることが多いそうです。
7)当ブログでもディベートに取り上げた経口免疫療法については小児の場合は専門医療機関での治療に肯定的な意見でしたが、成人の場合は当面アレルギー物質を避けることが先決でまだ経口免疫療法での治療は無理なようです。

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