医薬品による接触皮膚炎          2013年1月
  医薬品による接触皮膚炎(かぶれ)も時々経験します。医師が処方する薬剤でも、一般に薬局などで売られているOTC薬剤(Over the Counter) でもかぶれることがありますので注意が必要です。どんな薬剤でも体質によってはかぶれる場合もありますが多くの人がかぶれ易い薬剤もありますので知っておくことは重要かと思います。

医師の処方する薬剤

ポピドンヨード(イソジン)・・・消毒薬としてよく使われます、アレルギー性の場合も、一次刺激性の場合もあり、深い潰瘍を作ることもあります。また全身に拡大し接触皮膚炎症候群を呈した例もあります。

グルクロン酸クロルヘキシジン(ヒビテン)・・・消毒薬としてよく使われますが、接触皮膚炎、アナフィラキシ―を起こすこともあります。特に高濃度のものを粘膜、潰瘍部、血管内に使用することは避ける必要があります。

塩化ベンザルコニウム(オスバン)・・・消毒液として良く使われますが、点眼薬や点鼻薬、化粧品、コンタクト洗浄液、フィブラストスプレーなどの薬剤の防腐保存剤として含まれていることもあります。接触皮膚炎の報告もあります。

ブフェキサマク(アンダーム)・・・非ステロイド外用剤として一時期乳幼児のアトピー性皮膚炎の顔面の皮疹やステロイド剤忌避の患者さんなどにも用いられましたが、接触皮膚炎も多くみられ、2010年発売中止となりました。乳児の顔の薬剤が母親の乳房部に付いて、母親がかぶれを起こした例もあります。また全身性の接触皮膚炎症候群を生じた例もあります。

ジフェンヒドラミン(レスタミン)・・・蕁麻疹などの際に痒み止めとして、医師も処方しますし、市販の痒み止めにはほとんど含まれています。ステロイドでないなど安全な薬のイメージがありますが、時としてかぶれを起こすことがあり、注意を要します。

クロタミトン(オイラックス)・・・痒み止め、虫刺され、疥癬の治療薬、虱の治療薬としても使用されます。これも時に激しいかぶれを起こします。また市販の痒み止め、水虫薬などにも多く使用され、かぶれの原因の一つになっています。ステロイド剤に添加されているものもあります。

塩酸リドカイン・・・局所麻酔剤ですが、痒み止め、水虫薬等に添加されていることがよくあります。プロカインとの交叉過敏性を有します。時にかぶれを生じます。

塩酸ジブカイン・・・市販の消毒剤などに含まれていることがあります。(かつてのマキロンなど)時にかぶれを起こします。

眼囲外用剤・・・ネオメドロール、リンデロンA眼軟膏などに含まれているフラジオマイシン硫酸塩は時にかぶれを生じます。かぶれの治療薬でさらにかぶれる事があるのは注意すべきことです。これは同じアミノグリコシド系のゲンタシンと交叉過敏性を生じることがあります。

その他の点眼薬でかぶれることもあります。抗アレルギー剤のザジテン点眼薬などは治療薬でありながらかぶれることもあります。またヒアレインミニなどでのかぶれもあります。

ステロイド外用剤・・・かつてブデゾンというステロイド外用剤はかぶれが多く発売中止になりました。多く使用されるリンデロンVG軟膏なども添加されたG(ゲンタシン)でかぶれることがあり、クロタミトン(オイラックス)を含んだステロイド剤用剤でもかぶれることがあります。またステロイド剤そのもので接触皮膚炎を起こす事も稀にあります。
かつてトプシムクリームで経験したかぶれでは成分のステアリルアルコールが原因でした。パッチテストではステロイドの抗炎症作用のために陽性反応がでるのに4−5日かかりました。
このようにステロイド剤は抗炎症作用があるためにそのかぶれがマスクされて原因が分かりにくいこともあります。

湿布薬・・・各種の湿布薬でかぶれを生じることがありますが、特に非ステロイド系消炎剤のケトプロフェン(モーラステープ)、スプロフェン、ピロキシカムを含んだ製剤では光接触皮膚炎(日光によるかぶれ)を起こしやすいので運動選手などでは特段の注意が必要です。

OTC薬剤
上記の薬剤のなかには市販の薬剤(OTC薬剤)で、痒み止め、消炎鎮痛剤、消毒薬、水虫薬などに含まれているものもあります。ご使用前に成分の表示を見てみることをお勧めします。

参考文献

接触皮膚炎症例集 皮膚病診療 増刊号 Vol 34 Suppl 2012

皮膚科臨床アセット1
アトピー性皮膚炎 湿疹・皮膚炎パーフェクトマスター
総編集◎古江増隆  専門編集◎中村晃一郎
中山書店 東京 2011